速いモーターがあればミニ四駆も速い!考察的妄想によるミニ四駆モータのブレークイン方法とその原理、効能について。
よく「ミニ四駆のモーターはブレークインしてから使い、育てていくもの」なんて言葉を目にしますが、正しくその通りだと思います。特に今はノーマルポテンシャルの引き出しに関心があるので、とても気になるところです。
ブレークインって何?
新世紀のミニ四駆を堪能しようと思って購入した「アバンテMk.Ⅲジャパンカップ2015リミテッドエディション」、ポイントはMAシャーシ、中径スーパーハードタイヤというあたりで、そのまま組み立ててもノーマールモーター前提ならそこそこポテンシャルがあると思います。しかし、丁寧に組み上げればもっと速くなると思いますので、前世紀に培った経験をもとにあれこれ回り道をしながら組み立ててみようと思います。
まずはモーターのブレークインです。ブレークインとは「慣らし」のことですが、英単語を直訳すれば「壊し始め」という意味です。使い始めるのに壊し始めるってどういうことなんだろう?と、ハテナが並んでしまいますよね。
でも、これは本当にうまく言ったものです。確かに、新品から使い始めたら、それは壊れていくことの始まりでもあります。
だんだんいろいろな部品が削れて馴染んでいき、最高性能を出したあと限界を超えて壊れてしまう…なんかとても儚いですが、一瞬に賭ける、いや、一瞬を駆け抜けるマシンたちにふさわしい言葉…とか自分の言葉に酔っている場合ではありませんね。
モーターをブレークインするとミニ四駆は速くなるのか?
まずはモーターの中身を知らねば、ということでちょっとモーターの中身がわかりやすく解説されているホームページを探してみました。ミニ四駆に使われているモーターはDCモーターですが、モーターの構造についてはマブチモーターのホームページが参考になります。
モータの動作原理|マブチモーター
マブチモーターの解説に合わせたイラストを描くとこんな感じです。銅ブラシの場合はちょっと形が異なりますが、絵的にはこちらの方がわかりやすいのでこのまま説明を続けます。
茶色っぽいグルグルっと書いたのが電線で、ここに電気が流れることで電磁磁石になります。左右に配置された磁石と反発吸着をして回転します。黒い線で書いた3本の丸い視力測定みたいな線がコミテータといい、ブラシ(紫っぽい四角)からの電気を受け取ります。で、モーターが回ることでどんどん電気が流れる場所が切り替わっていくという仕組みになっています。
モーターのブレークインを行うと、どのようなことが起こるのでしょう?
- グリスが程よく全体に回る
- エンドベルなどの軸受け部分が程よく削れてなめらかになる、広がる
- ブラシが程よく削れてコミテータ(整流子)の接触面積が増える
実は最初の2つは確認したことが無いので推測ですが、3番目の「ブラシとコミテータ」についてはモーターを分解してたくさん削れてきているのを確認したことがあります。
ブレークインしたモーターが速くなる理由
モーターが力強く回るためには十分な電気が必要です。ただ、電圧はアルカリ乾電池や充電池の特性で決まってしまうので、後は如何に電流を多く流せる電気抵抗の少ない状態にするかがポイントです。道路に例えると、道が狭ければ車は1台しか通れませんが、広ければ同時に3台通ることができます。同じ速度であれば道が広い方が3倍の仕事をしてくれます。
車のスピードを上げればいい?鋭いですね!そうです。電圧を上げればスピードが上がります。
モーターの話に戻りますが、ブレークインによってブラシが削れるとコミテータの形により沿った形になって接触面積が増え、接触面積増加によって電流が多く流れるようになり、モーターのパワーが上がると考えています。イメージとしてはこんな感じです。左が新品状態、右がブレークイン後です。
また、ブラシとコミテータの電気抵抗が少なくなれば、ここでロスする電圧も少なくなり、モーター内のコイルにより高い電圧がかかるようになります。
電気抵抗を減らす一つの方法に「接触面積を増やす」と言う方法があります。簡単に言えば電気が流れる道を太くしてしまうということです。モーターをたくさん回せば当然ブラシ部分も削れてきますので、それだけコミテータの形に合ってくると思われます。
ただ、ブラシの接点はバネ状のもので支えられているので、片方向だけやっていると削れ方に偏りが出てしまい、結果として接触面積が減ってしまいます。一旦偏りが出てしまうと、そもともコミテータに当たる力も偏りが出てしまい、なかなか理想的な形になってくれなくなります。
そんなわけで、正転慣らし、逆転慣らしをバランスよく行うのがよさげです。
また、ブレークインしたモーターがデビューした後も、走行時間相当の逆回転をさせておいた方が良いのではないかと考えています。
ブラシってのはそれなりに耐久性があるんだよね
そんなわけでモーターのブレークインには正逆両方向にひたすら回してやればいいという話になりますが、そもそもホビー用とはいえモーターにはそれなりの耐久性があります。 そんなわけで無負荷状態で回してもかなりの時間を必要とするでしょう。
だいぶ前に実験した時の記憶では、3Vの無負荷状態では、10分とか15分で変化のあるような結果にはなりませんでした。
短時間でブラシの形を整えて性能を引き上げるためには、電圧を上げるのが簡単な方法ではないかと考えています。電圧を上げることによって回転数が上がり、ブラシが一気に削れるというのもありますが、それ以外に流れる電流が増えて定格を超え(モーターの場合はコイル属性がありますので、厳密には もうちょっと難しい話がありますが)、発熱等によってブラシがさらに削れやすくなるのではないかと考えています。
低い電圧で、しかも無負荷でモーターを回し続けてもそんなに熱くなることはありません。
ほどほどに高い電圧でサクっと短時間でブレークインを完了させるのが手軽で良いと考えています。前世紀の経験から、金属ブラシは9Vを上限にしてブレークインした結果が良かったので、今回もこのあたりで行ってみたいと思います。
ちなみに、前世紀ではカーボンブラシのモーターは末期に少しだけ触っただけなので、ブレークインの研究はほとんどしませんでした。恐らく、カーボンブラシ向けのブレークイン方法があると思われます。
今日の一言二言三言
ブレークイン なんて儚い 響きだろう
正しく壊して 性能アップ?
「ブレークイン」と言う言葉を知ったのは、「Uコン」という模型の話を小学生のころに読んだのが最初です。Uコン、今思えばあれっておもしろいのかな?と疑問を感じるような気がしないでもないですが、広場で飛ばしている近所のお兄さん、うらやましかったなぁ。
ここまでそれらしいこと書いてきましたが、素人経験&推測なので「考察的妄想」なんていう弱弱しい言葉を使わせていただきました。ご参考になれば幸いです。
ミニ四駆カテゴリのタグ解説
子供たちがミニ四駆を始めたので父も一緒に始めました。前世紀はトルクチューン+プラローラーぐらいでどれくらい速くなるかな?とかやっていましたが、今もニッチに楽しんでいます。 タグでちょっとわかりにくいものがありますので説明付きでリンク貼っておきます。 |
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